そろそろ正月気分ともサヨナラしなくちゃいけませんね。
明日の夜には、僕も東京に戻って新年の仕事に備えます。
そういえば東京の自宅のフレッツ光の具合がおかしくてネットが使えないのでした。ニコ厨にはツラい……じゃなくて(汗) 今のうちに業務連絡を……
というわけで、一週間後が提出期限の僕の授業の課題を掲載しておきます。
元日のこのブログでも書いた、ニコ動を巡る特別講座と連動した課題で、以下、その際に配ったチラシの文面を全文転載します。課題は後半にあります。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
文芸特殊講義IX 特別講座
2007年12月7日(金)13時〜
「ニコニコ動画に集うクリエイティブ」
特別講師◆中澤友作◆株式会社ドワンゴ 広告宣伝部
◆◆◆この特別講座に寄せて◆◆◆
青木敬士・文芸特殊講義IX 担当講師
「無題」という作品はどんな美術展でも目にはいりますが、
名無し作家の作品にはめったに出会えません。
それは「あの人の作るものならば間違いない」というクオリティを保証するもの=ブランドにまで作家名が高まらなければ、なかなか美術館収蔵という権威の壁を越えられないからです。
そのような権威とは無縁な場所で、いま、最もホットに作品発表と批評が行われているのが、ネット上の「ニコニコ動画」です。
アップされた動画の画面上にリアルタイムに感想が書き込まれていくシステムは、作品のアイデアやクオリティ次第で、一夜にして数万人の視線を集めることも可能なステージなのです。
不思議なことに、そこで発表する人々は自分の名前を前面に出そうとはしません。
お金がもらえるわけでもない場所で惜しみなくハイクオリティな作品をアップする名無したちに向かって、ネット住民は畏敬の意をこめて「才能の無駄遣い」という賛辞を贈ります。かつてネットを捉えるキーワードだった「匿名」という存在からニコ動の「名無し」への進化を、いま僕らは目にしているといえるかもしれません。
◆◆◆文芸特殊講義IXの後期課題について◆◆◆
今回の特別講座とも関連しますが、
文芸特殊講義IXの後期課題は
「名無しの才能」をテーマとします。
2008年2月末発行予定の「江古田文学」67号特集「名無しの才能(仮題)」と連動した課題で、優れた論文、レヴューや紹介記事を提出していただいた方については、「江古田文学」の特集に採用させていただくこともあります。
書店売りもある市販文芸誌に文章が載る機会でもあるので、他者を惹きつける・他者に読んでもらう文章を意識してテーマに挑戦して下さい。(特殊講義IX受講者以外の方の寄稿も歓迎します)
形式は自由ですが、以下に考えられるいくつかのパターンを例示——
・ニコニコ動画をはじめとするネット関連のクリエイティブはもちろん、印刷媒体の同人誌(二次創作含む)や、同人ゲームなど、「すでに確立しているメジャーブランド」によらない創作者・創作物について、レヴューや批評を紹介記事的な形で書く。動画をYouTubeやニコニコ動画にあっぷしてみた、といった体験レポート的なものでもOK。
・対価をもらわずにハイクオリティな作品をアップする素人が大挙してくる時代にプロはどう生き残るべきか、といった考察論文などもOK。
・プロの作品も、二次創作やパロディとして消費されることを前提としたつくりにシフトしているのではないか(踊りをまねられることを期待したアニメのオープニングなど)などの切り口から、メジャー作品と「名無し」の関係について考察することもテーマに含めます。
●提出期限は2008年1月11日(金) 授業時
メールでの提出もOKです。
aoki-kc@nifty.com(青木敬士)まで。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
以上です。
上記文中にもありますが、江古田文学の特集「名無しの才能」については、一般の方の原稿も歓迎いたします。(江古田文学は寄稿によって成り立っている雑誌ですので、原稿料はお出しできませんが、執筆者に掲載誌は進呈いたします)