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2005年5月11日 (水)

過剰歯(後編)〜クジラの歯とレクイエム

人間の歯は全部で32本。
前歯から親知らずまで8本×上下左右4セット

……なのだけど、前回撮ったレントゲンの写真を見せられて
「親知らずの後ろに小さい白いのが見えるでしょ? コレ、9番目の歯」
と歯科の先生はおっしゃいます。 

は?

「ウチでもいままで三人ぐらいいましたね。まぁちょっとした先祖返りのような」
……いらん先祖返りだなぁ、耳が動かせるほうがまだ使いでがあるような……
という僕の心の声を察したのか、
「クジラの歯はこんなふうに奥の方に予備が用意されていて、二本ずつ平行移動してきて生え変わるんですよ。一生のうちに四回」 
 
ゴールデンウィーク中に東京湾を回遊して親子連れの歓声を浴びたコククジラは何回目の歯だったんだろう?

(そのコククジラが、この日の朝、千葉県富山町沖の定置網にかかり、死んでいるのが発見されたなんてことは、まだ僕は知らなかった。ナムー)

しかし僕は人間なので、クジラのように予備の歯が出てくるでもなく、その過剰歯「幻の9番」とやらが「8番」こと親知らずの根っこに横から閂(かんぬき)をかけている状態なので、抜くという選択肢は自然と消滅し、普通に虫歯治療をすることになった。

帰り道を歩きながら、
クジラに歯なんてあったっけ?
あのカラクリ人形のゼンマイにも用いられた「ヒゲ」が歯なんだっけ?
と、だまされたような気分でクジラにかんする知識をしぼりだそうとしたけど、むかし熱海の秘宝館で見た、床から飛び出ていたクジラの巨大なペニスと、天井にはりついていたクジラのヴァギナのことしか思い出せなかった。……しかしそれはクジラがほ乳類であることを鮮烈に再認識させる結果となり、まぁ奥歯くらいはあるだろうというところに落ち着いた。

自分にしては珍しく、その後クジラの歯についてはググらずにいる。
時には知らないことを知らないままにしておくのもいいんじゃないか?

自由な連想を阻害する「知識・常識の壁」は
時々こんなふうに建設中止に追い込まれているらしい、自分の中では。

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