2008年1月 3日 (木)

ボーカロイドは体外受精の夢を見るか

Mikuroid_2最近やたらと話題に取り上げております「初音ミク」「鏡音リン・レン」ですが、「いまさら聞けない基本知識」的に説明すると、メロディーと歌詞を入力することで人の声を元にした歌声を合成することができるソフトです。

機械に人間みたいに歌わせられるってことで、つまり「楽器」のひとつなわけですが、それがキャラクターとして人格をもったことで、あたかも「歌手」であるかのような共同幻想をかもしだし、結果として年末の「初音ミク着うた配信JASRAC登録問題」に発展したのではないかと僕は考えます。

初音ミクを「楽器として使って曲を作る」ことにはなんの問題もないんですが、「キャラクターとしての初音ミク名義で」曲を配信しようと登録したことが問題になってくる、というややこしさですね。

ワープロソフトに例えれば、Wordで書いた小説にWordの開発者やマイクロソフトが権利を主張できないのはわかるんだけど、初音ミクだって「楽器」だから、ミクで制作した音楽についてクリプトンが権利主張するのもおかしいんじゃない?と問われても、なんとなくしっくりこないのはどうしてなんでしょうね。

そして開発元のクリプトンやニコニコユーザが、
ミクを「育てた」と表現するとしっくりくるのはどうしてなんでしょう? 

僕には配信問題の決着より、この、初音ミクをめぐって自分のなかに呼び覚まされる「ざわざわ落ち着かない感覚」のほうが興味深かったです。SF好きの血が騒ぐんですよ。

コンピュータが意識をもつ、というテーマはよくSFのネタにされますが、コンピュータの性能が上がって知識の集積度がある臨界に達したときに意識が生じる……なんていう古典的帰結より、初音ミクのように「楽器」が共同幻想として「人格」を発生させることで「意識が肉体の外にある生命」が誕生する……なんてアイデアのほうがはるかに魅力的です。

悪名高きコピーアットワンスが、自己同一性を機械に意識させるきっかけになって機械生命が誕生するとか ←一時この考え方、僕の中でマイブームだったんですけど(笑)、そういうSF的妄想をするのが好きなんです。

「認めたくないものだな。
 理屈で取り繕うほどに、みっくみくにされてる自分を……」

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2007年8月10日 (金)

よく飛ぶ紙飛行機40周年(子供の科学9月号)

Koka0709_3  「子供の科学」という雑誌をご存知でしょうか?

いまでは「学研の科学」のほうがメジャーなのかもしれませんが、「子供の科学」は、大正13年に創刊された小中学生向けの総合科学雑誌です。創刊者原田三夫の「研究室で展開している"時代の最先端"を、これからの次代を担う子供たちに紹介したい」という編集方針を80年以上も経た現在も受け継ぎ、多くの読者に"科学の入口"を提供しています。

最先端の科学と楽しい工作を紹介して80年。
技術立国・日本を支える大人の多くが、幼き日に一度はページをめくったことがある雑誌なんじゃないでしょうか?

その歴史の半分、40年間にわたって連載されてきた巻末の切り抜き付録「よく飛ぶ紙飛行機」を設計してこられたのが、僕がひそかに紙飛行機の神とあがめる二宮康明先生です。

二宮先生の紙飛行機との出会いは、小学一年生の頃(1976年)親が転勤する同僚からもらってきた本のなかに、たまたま「よく飛ぶ紙飛行機集1」があってのことでした。ふつう汚したり折ったりしちゃダメな「本」を「切り抜く」という形にも魅かれるものがあって、すぐに作って飛ばしたものです。(北海道に住んでいたので、飛ばす原っぱにも恵まれました)

この本が幼時の僕に与えてくれた知識は、飛行機のことにとどまりません。文中の「紙飛行機を作る糊は、セメダインCがよい」という製作の手引きにより、ヤマト糊しか知らなかった僕に、貼っても紙がボコボコにならない文明の利器・セメダインCがもたらされたのです。

セメダインCの威力に感動した僕は、なんでもセメダインで工作するという、なんとかの一つ覚え状態に陥っていました。

ちょうどそのころ領空侵犯したソ連のミグ25が函館に強行着陸した亡命事件に(というかミグ25に)心惹かれ、親にねだって買ってもらったプラモデルさえ、僕はセメダインCで組み立てました。しかし翌日ミグに触れるとぽろぽろと崩壊(笑) 初めてセメダインCは万能ではなく、世の中には素材ごとに違う種類の接着剤があると気付くことになります。

まあこんなぐあいで、僕にとって二宮先生は、意義ある失敗へ優しく導いてくれた(笑)恩人でもあるわけです。

……長い前置きになりましたが、
「子供の科学」誌上の「よく飛ぶ紙飛行機」連載40周年記念記事の取材と執筆について、この僕をご指名いただけるという光栄を浴することになりました。

編集部の「だま」さん、ありがとうございます。
自分にとってはなんという恩返しのチャンス。
文章を書く仕事をしていて良かったと思える瞬間です。

取材は7月17日、東京都内某所の広大な原っぱで実際に紙飛行機を飛ばしながら行い、その記事が載った「子供の科学」2007年9月号が、今日、編集部から帰省中の北海道に届きました。

かつてその存在に出会った北の空の下で、自分が執筆した「よく飛ぶ紙飛行機」のメモリアル記事が載った「子供の科学」を手にできるなんて、どんだけラッキーなんだって!

Koka070940

「子供の科学」2007年9月号は、8月10日から書店にも並んでいますので、見かけたら、ぜひお手に取ってごらんください。

取材時のエピソードなど、機会があったらまたこのブログに書きたいと思います。

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2006年8月25日 (金)

ミール宇宙ステーションに乗ってみる

ミールの中に入れるなら実際行ってみなくっちゃ!

……そう思ったのは今朝寝覚めの夢がけっこうエロくって、   
その舞台が「閉鎖空間での長期作業実験」施設だったからです(謎

その「閉鎖空間での長期作業実験」とやらの被験者に選ばれた僕は、レクチャーを受けているうちに、これが男女ペアで行うテストで、しかも、被験者同士の性交渉が発生するのは織り込み済みというか、むしろそれ自体も任務ということを知ります。その時点では相方が誰かも知らされておらず、期待70%不安30%くらいでドキドキしてるわけです。

そしていよいよバディ(相方)が紹介されます。
その娘の姿はもう、期待100%不安0%にゲージが振り切れ状態。
しかし、実際に実験生活が始まると、あまりの相手の平常な働きっぷりに
「もしかして相手には違うレクチャーがされているのでは」
「こちらのことをどう思っているのだろう」
とか、ごちゃごちゃ考えて、よけいに手が出しづらくなってしまいます。

期待と不安のパーセント逆転状態。これじゃ埒があかないと
よし、ちゃんと言葉にして誘おう、と思った瞬間——

あ……ゆ、夢? ——と目覚めてしまったのでした。


「え!? それだけじゃぜんぜんエロくないじゃないですか」
 といわれるかもしれませんが、僕としては
「ヤバい、もう我慢できずに手を出してしまいそうだよ」
 という瞬間がいちばんエロいのであって、あとは野生化現象ですからね(笑

すいません、前置きが長すぎました。

現在滞在中の実家がある苫小牧市の、科学センター(HPはこちら)には
ロシアのミール宇宙ステーションモジュールのホンモノが置いてあるのです。
しかも無料。なんて大盤振る舞いな!

この品薄感やプレミア感をまったく煽らない市の展示方針のせいか(じつは最初野ざらしにしていて市議会で問題になったらしい)実家に帰省したらいつでも見に行けると踏んで、実際今まで足を運んでいなかったのでした。

しかし、ここは夢のお告げとばかりに早速訪問。

これが苫小牧市科学センター外観。中学生以来じゃないでしょうか。
正面玄関の柱が、日本宇宙開発黎明期のロケットの形をしているのが泣かせます。

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70年代から代わり映えのないひなびた館内を抜け、
いよいよ新設されたミール展示館へ

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こ、これを軌道に上げたのか!

写真じゃ伝わらないかもしれませんが
各部の工場のプラントっぽい武骨さと、その重量感。

宇宙開発における1000分の1秒とかグラム単位の軽量化とか、
「そんなの飾りですよ」とイワンばかり(笑
力技でなんとかなるものだというロシア魂がひしひしと伝わってきます。

しかし、

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このドッキングポートのSCSIポートより繊細そうなコネクタ、

出っ張ってるけど、このピンがオスメスで合う精度でドッキング?

ロシアの飛行士はバケモノか!

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しかも船内の操縦パネル
噴射制御が10キーだぜ。

ロシアの宇宙飛行士は神!

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そしてこの明らかにVHSテープを使っているレコーダといい

もう、ロシアすごい。

■動画はこちら(mp4 iPodビデオ対応 約8MB)

東京に帰ったら、小川一水の『第六大陸』読み返そうっと。

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